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2013/04/22

「だいぶ前の中国で。」

前職では中国に行くことが年に何度かあり、行く度に中国の食文化に驚かされていました。
食文化に驚くといっても、日本では食べないような珍しい料理にではなく、日本食だと思っていたものが中国で当たり前にあったことです。
当時日本食だと思っていたけど中国にあったもの
豆腐 薄揚げ 醤油 味噌 出汁 おかゆ などなど
(もちろん味は違いますが)
他にもあったような気がしますが、忘れましたが、
若さゆえか、日本食ってほとんど中国の真似じゃないかと失望さえしました。
でも食事のマナーは全然違っていました。
お箸の置き方は横では無く縦に置きます。
口に食べ物を含んでいても平気でペチャクチャ喋ります。
ご飯の上におかずをバシャっとかけます(美味しいんですが)。
魚や鶏肉の骨は箸で取らず、口の中でモゴモゴしてベッと吐き出します。
一つの小皿でたくさんの料理をよそうので、みんなお皿の上がグチャグチャです。
※追記 肘をついてご飯を食べるのはいたって普通の事
などなど、他にもたくさんあったような気がしますが、忘れました。
食器は中国も日本も基本的には似ているのに、食べ方はこうも違うのか。
よく言われる事ですが、日本の文化は海外の良い物を何でも柔軟に吸収します。
良い部分は柔軟に吸収しても食事の仕方の様に自分達の軸を堅持するのが日本なのだと思います。
昔の日本の人達は相手が先進国であってもそういう食べ方を美しいと思わなかったのだと思います。
現地の人に「君子は和して同ぜず」という孔子の言葉を教えてもらいました。
和とは 協調はするけど信念は堅持して流されない。
同とは 流され雷同するけど協調・調和しない。
日本がいつ倭から和に名を変えたのか正確には知りませんが、外交上の意思表明を込めて和にしたのではないでしょうか。
そんな事を教えてくれた現地の人たちも、好き嫌いに関わらず自国の歴史文化に造詣が深く、また相手の国の歴史文化にも興味を持っていました。
それなのに自国の事について何も引き出しが無い自分に恥ずかしくなったのを今でも覚えています。
相手を知る前に自分を知ること。
相手から引き出すだけでなく自分も出す。
違う文化の人達とたくさん仕事をしている人には当たり前のことなのですね。
そうした体験は、二十歳そこそこの僕が、当時興味の無かった日本の文化や歴史に興味が湧くきっかけになりました。
そしてその末路が古墳好きになってしまったということです。