「見た目だけの温故知新」

2013/05/13

「好きなようにデザインしていいですよ。」
たまに、そんな事を言われます。
だからといって、本当に好きなようにデザインしていいわけではありません。
クライアントは何かしら解決したい問題を含んでいるからデザインを依頼しているわけで、問題が無ければ新しく物を作る必要はありません。
そして問題が無いことなど絶対に無いと思うのです。
好きなようにデザインしていいという事は、自分が好きな形のデザインをするわけでも無く、自分が欲しいものをデザインするわけでも無く、自分で問題を見つけて課題を設定し、それを解決する手段(デザイン)を提示して欲しいという事になります。
難易度の高いデザイン依頼ですね。
問題を見つける事は誰でもできることですが、解決課題の設定はとても難しいと思います。
ちょっと踏み外したら、ヘンテコな物を作ってしまいます。
僕の失敗例はこんなことがありました。
仕事ではありませんが、学生の時に「何でもいいから好きなデザインをして絵にする」という夏休みの課題がありました。
僕が取り組もうと思ったこと。
問題:当時の公共物の多くが古都京都の風景に馴染んでいない。
解決課題:寺社仏閣の装飾を公共物に取り入れる事で違和感を無くす。
デザインする対象物:押ボタン信号機のボタン
e0080110_1685612.jpg
※馴染んでいない例
何とも学生時分らしい、実に浅はかなコンセプトです。
当然、先生からは「こんな物デザインとは言わない」と言われました。
当時の僕はそんなこと無いと思っていたものです。
もっと深堀りして「本当に馴染んでいないのか」「何故馴染んでいないものがあるのか」、というところからスタートすれば、もっと違ったものになったと思います。
そして上辺だけで解決したつもりになって、ヘンテコなものを作ってしまうという顛末。
学校の課題で済んで良かったなーと感じた教訓です。
その時の絵が手元に無いので、記憶を頼りに作ってみましたが、、

rakkan2.png

これは、能書きではなく、単純にダサいですね。
こんなものはデザインとは言いません。