「気付かれないデザイン」

2013/07/16

ここ3ヶ月くらいの間、合間を縫ってあるタイポグラフィのデザインをしていました。
と言っても、ある製品に付随する数字のタイポグラフィだったので、純粋なそれではありません。
もちろん僕はタイポグラフィのデザインなんてド素人です。
どうやって始めていいかも分からないので、昔見たHelveticaの映画を思い出しながら、とりあえず見よう見まねでスタートしました。
最初は雰囲気でこんな感じがかっこいいなと思ってサクッと作ったものを並べていると、感じは良くても何かかっこ悪い。どこか違和感がある。
全ての文字を調整して1個1個うまく作れたと思って全体を見たら、何かの文字が不協和音になっている。
それを調整したら、また別の文字が不協和音になっている。
全部うまくできたと思って、モニター上で製品にレイアウトしたら違和感があるのでまた調整。
モニター上のレイアウトでもうまく言ったと思い試作品を作ってみたら違和感があるのでまた調整。
ずーっとこの繰り返し。
そんな事をしていると、タイポグラフィってプロダクトデザインに似ているなと思いました。
工業製品のデザインでも、そこまでやって誰が気付くのだろうと思うような細かな調整があります。
もちろん、その調整をしなければ使い勝手の悪いものになったり、何か分からないけど格好わるいものになります。
うまくいった所には誰も気付かないけれど、うまくいかなかった所には皆無意識的にでも違和感を感じます。
違和感なく使えている物の裏側では、気付かれない為の、果てしない労力が費やされているのです。
タイポグラフィのデザインを通じて感じた事は、完成形までの90%くらいはセンスで何とかなるかもしれませんが、残り10%は違和感を消す作業です。
(技術と経験で個人差があると思いますが、作業量的には反対になるように思います。)
この残り10%を納得するまで突き詰める事がデザインの質を決定付けるように感じました。
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