「変化するから残すもの」

2014/07/07

先日、大阪市立くらしの今昔館というところで、
建築家の吉村順三さんの企画展があったので行ってまいりました。

吉村順三さんといえば軽井沢の別荘などで有名な建築家で、
僕はどの建物にも行ったことはありませんが、自身の建築を作品としてではなく、
人が住むということと日本的な文化を真摯に考えていた人だと感じます。

このくらしの今昔館という施設、学生の時に初めて行ってから年に1回くらいは行っています。
中に江戸時代の大阪の街並みを実寸大で、おそらく細部まで忠実に再現しているのが圧巻。
企画展では暮らしにまつわる事を中心に、有志の方が所蔵品を出品していたり、
彼らがその場でレクチャーしたりしてくれるので、楽しく見ることが出来ます。
昔は今では想像できないほどバラエティーに富んだ生活用品があって、
すぐに廃れてしまったものも、今でもその形を残しているものもあって、
生活を良くしていきたいという当時のものづくりの勢いを感じる事ができます。
今回の吉村順三さんの企画展も、大阪ではなかなか見ることができないものが多く、
ならではという企画だったと思います。

売店では大阪の古地図のレプリカなども販売していて、
自分が昔育った街が明治時代までとても小さな農村だった事とか、
春は花見で賑わう大阪城公園が巨大な軍需工場だった事とか、色々な再発見もあって面白いです。

ところでこの施設は大阪市の施設。
都構想の再編計画で、大阪市立の施設が無くなったり、廃止の話をよく聞きます。
優秀な方を多く輩出している大阪市立デザイン教育研究所という日本で唯一の
公立のデザイン専門学校も廃止するという話があります。
ちょうど7月8日に教育委員会で生徒の募集停止の取り扱いについて議論されるようですね。

大阪という街はあまり文化についての頓着が無い街だという実感があります。

今話題の台北故宮博物院の成り立ちも、支配者がころころ変わってきた中国の歴史上、
蒋介石が文化は民族の威信でありアイデンティティだということで、台北に遷都の際に3万点以上の作品を
中国から運んで作ったという事らしいです。
芸術だけに関わらずデザインも古いものにも新しいものにも同じぐらい好奇心が湧くものですし、
過去を知ることは未来を読む事とも言います。
政治家もころころ変わりますが、特に昔から語り継ぐ人が多いわけでもない街なので、
残せる文化施設は残して欲しいと思います。

同じことを何度も書いているような気がしますが。。

20140317