DOOG DESIGN

NEWS ニュース

2014/08/11

「有効求人倍率 不明」

先日、ちょっと前に録画していた「シリーズ日本新生”超人手不足時代”がやって来る」
というNHKの番組を見ました。
簡単な内容は、業種によって人材不足が深刻な反面、
また別の業種では変わらず就職難が続いているという事。
そして人材不足の話から働き方や今後の企業や日本のありかたというような、
何ともNHKらしいところに話を持っていく番組でした。

人材不足が深刻な職種の代表例として型枠大工さんや介護士さんなど、
型枠大工さんに至っては有効求人倍率が6倍以上とのこと。
就職難の代表例は一般事務職。有効求人倍率が0.2倍くらいらしいです。
事務職というのがとても曖昧で分かりづらいですが、
前職でも、事務職1人の応募枠に何十人~何百人と応募があったのを思い出します。
事務職(内勤?)というのは人気なのですね。

プロダクトデザイナーの募集はもちろん後者です。
学校から見るとプロダクトデザイナーの志願者は、
以前に比べると減っていますが、求職者の減少率以上に
プロダクトデザイナーの職に中々空きが無いのが実情です。

この理由は単純明快。デザイナーが減らないからです。

プロダクトデザイナーの募集の多くはメーカーや大手デザイン会社。
比較的安定しているため、プロダクトデザイナーは他のデザイナー職に比べて息が長く、
業種によっては、センスが無くなっても必要とされる仕事があります。
他のデザイナー職に比べて、未だ男性が圧倒的に多いのも理由です。
(職に居続ける可能性が女性に比べて高い)

それでも企業は停滞させるわけにはいかないので、良い人材を確保するために
企業はもの凄く少ない求人でも手間をかけて求人活動をしているようです。

そこに飛び込む側は、この4つの考え方が出来ます。
・他者の追随を許さない圧倒的な差を持つ
・別の視点でアプローチして違いを持つ
・条件を下げる
・競争の無いところに行く

当時自分は武器も無く丸腰だったため一番最後を方法を選びました。

今は僕たちもデザインが必要だと思ってもらえるよう倍率の分子を増やす事を
より意識していかなければなりませんね。

そんな番組を見ながら、受け持っている前期の授業の採点をしました。
週一回の講師をしだしてまだ2年ですが、つくづくデザインの評価は難しいと思います。
学校生活でも、就職活動でも、また会社に入っても、昔から評価されやすい人というのは
自発的で、コミュニケーション能力が高く、行動力のある人です。
漫才でいうとツッコミ型の人間ですね。

でも制作課題を見ていると、そうでは無い人からオッと思う作品が出てきたりします。
技術があまり無くても、目を惹くものがあったりします。
漫才でいうとボケ型の人間です。

企業から面白いアイデアが出にくくなっている理由の一つはこれではないでしょうか。
ボケ型の人間を許容して育てる器がなくなっているのだと思います。
同質の人ばかり気の合う人間だけで集まっても新しいものは出てきません。
デザインでいうと、これは問題だと思います。

しかしこういう人は中々発見されにくいのです。

ボケ型の人は引っ張ったり押してくれる何かを探すしかありません。
漫才コンビでも、ツッコミの人がボケの人を誘ったっていうパターン多いですよね。

c0216061_2213898