「よりどころ」

2014/08/18

今年の夏休みは事務所の引っ越しの作業をしていて夏休みは特にどこにも行けずじまい。
そんな感じの夏休みだったのでTSUTAYAでたくさんDVDを借りて見ていました。
その中に2~3年前に映画館で見てそれっきりだった
「Exit Through The Gift Shop」という映画がありました。

BANKSYの最初で最後の(?)監督作品ということで有名ですね。

グラフィティ・アーティストを題材にしたドキュメンタリー映画で前半と後半で話が変わる様が見もの。
こういった類のアートの話は取っ付き難い人もいるかもしれませんが、内容は至ってまともな作品です。

物語の主人公でただの撮影好きだった素人の男性が、映画の後半、財産を投じて人を使って作品を作り、
メディアをうまく使いアーティストとして成功していくというが流れです。
彼がイベントの会場構成をスタッフに聞かれても分からないからスタッフにさせる場面もあるほど。
(映画では、デビューイベントを成功させたというもので、その後実際に作品の価値も上がっているそうな。)

監督であるBANKSYは映画の中で、アーティストは苦労して自分の作風を作り上げて
認知されていくが、前述の彼はそれを飛び越えてしまったというような事を言っています。
この話は彼がドキュメンタリー映画の題材にしているだけあって答えの無い話でもあります。

彼はアートの才能が無くても、人を上手く(?)使って編集する能力があるという見方もできます。
メディアを上手く使ったとしても、作品の値段が上がるということは
アーティストの価値としては一つの目安でもあります。
お客さんがそれで喜んで作品を買う訳ですから。

しかし、それでいいのか?というのが映画の投げかけです。

僕達はアーティストではありませんが、とても共感できる内容です。

僕達はいろいろな製品をデザインする仕事なので、作風というのは持ちたくないと思っています。
仕事の中で作風を求められる事もありますし、それに縛られて、
都度異なるプロジェクトの目指す所が歪曲してしまう事もあります。
それでも一瞬一瞬が選択の連続で、どうしようか迷う時があります。
そんな毎日やってくる判断の場面で、自分が信じているよりどころがあるかどうか。
それが結果的にデザインにも反映されていくのだと思います。

その都度雰囲気だけを良いとこ取りしたような方法でもデザインの仕事は出来ます。
ただその時はそれで良くても、それが積み重なった時、
「生み出す」ということが出来なくなると思います。

20140818
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