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2016/07/29

No title

最近、とある海外の方とメールをする機会がありました。
その方は日本人ですが、長く海外に住んでいるということもあり、
英会話や英語の読み書きが流暢にでき、もちろん日本語の会話も流暢にできます。
ところが日本語の読み書きが全然出来ないらしいのです。

普段から意識して使っていないとそんなことがあるものかととても不思議に思いましたが、
最近、自分にも当てはまる事がありました。

実家を出てからもう10数年。
自分で好きな生活が出来るようになると、嫌いな食べ物を避けて生活できるようになります。
ずっと避けてそれを意識しないでいると、ある日突然嫌いな食べ物を聞かれた時に、
自分の嫌いな食べ物が何だったかなとすぐに思い出せなかったのです。

よく考えると、例えば食べ物でなくても、服装の趣味がはっきりしている人は
普段から意識して服装に気を使っていると言えますし、
服装に無頓着な人に服の趣味を聞いてもはっきり答えられないと思います。
同様に、異性の好みがはっきりしている人は普段から異性を意識していると言えるでしょう。

意識という点で、ことプロダクト(デザイン)は使い手にそれと意識させない事が求められます。
使い勝手の良い道具は道具であることを意識させません。
意識させないように作られているから使う方も意識しないのですね。
(感度の高い人に向けたものは別ですが)
注意を惹く為のデザインはどこかしらに、良い意味でも悪い意味でも
破綻があるから意識させることができます。

プロダクトデザインをしていると、普段使っている身の周りの物に
デザインした人がいるなんて考えたことなかったというような事を言われます。
他にも、使っている物のメーカー名を覚えていなかったり、
なぜそれを使っているかすら意識していないこともあります。

それはある意味プロダクトデザインの思想として成功しているとも言えますが、
ほんとは内心もっと意識してほしいなとも思う訳です。

20160729blog

そんな中でも上手に破綻させて無意識に意識させるデザインは素晴らしいなと思います。