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2013/03/11

「無報酬の一件」

例の無報酬デザイナー募集の問題。
完全撤回されて沈静化したところを見計らって所感を残します。
一デザイナーとして、この件について書いておく事は義務だと感じだからです。
正直僕はこの件、募集側がクライアントとして素人だったと思うので批判も賛成もできません。
消費者がデザインを分かってくれないとデザイナー自信が嘆く事と同じくらい不毛だと感じています。
ただ本当に残念だったのは、未だにデザイナーは「デザインしたいでしょ?」と思われているということ。
僕たちはデザインが大好きだし、好きなことをして報酬を頂いていることは確か。
でも断じて言えることは、趣味でやっているわけではないし、行為としてのデザインを楽しんでいるのではありません。
自分がデザインしたもので誰かに長く使ってもらえたり、人の役に立つことで喜びを得ているのです。
その喜びを得ることを「生業」とし、それを続ける為に日々努力しているのです。
こういった誤解が起きるのは誰のせいでも無く、デザイナー自身が招いた結果だと思います。
無報酬でも良いから何か大きな名を借りて、仕事の実績に結び付けようとするデザイナーの姿勢に問題を感じます。
この募集で、デザイナーの名は表に出ない。という事であれば地元出身でもない限り誰も応募しなかったでしょう。
ただでさえプロとセミプロの境界が曖昧になっていてデリケートな時代です。
僕はプロの端くれとして活動している以上、こういった募集には参加しませんし、依頼があった場合にはお断りします。