「変わる良さ、変わらない良さ」

2014/07/22

先日、四天王寺で開催されている恒例の蚤の市、大師会に行ってきました。
久しぶりに休日の大師会だったので、人の多さに圧倒されつつ、しかも強烈な猛暑。
バイヤーでもないのに2時間もうろうろしていたらフラフラになってしまいました。

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今回購入したものはこちら。

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ノリタケのストーンウェアのシリーズ、FOLKSTONEのカップ&ソーサー。
ストーンウェアは陶器の一種、炻器(せっき)という部類に入り、関西では信楽焼が有名です。
古墳などの遺跡から発掘される須恵器と呼ばれるものも炻器です。
今ではルクルーゼのストーンウェアの方が馴染みがあるかもしれません。

このシリーズ、今は生産されていないようですが、日本の高度経済成長期に食洗機が出てきて、
(今のものとはだいぶ違うと思いますが)
それに対応するために作られたシリーズのようです。
製品が生まれる背景にはそれなりの理由がありますね。

僕の実家には古い食器乾燥機がありましたが、食洗機は無かったのでどんなものか分かりませんが、
陶器は温度差や欠けがあったりすると欠けることもあります。
このカップ&ソーサーはストーンウェアらしく、ずっしりと重く、かなり丈夫そうです。

デザインもシンプルで、昭和レトロ感を感じさせなくて良いですね。
新しい事務所で使おうと思います。

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中古かどうか分からないほど綺麗ですが、1個につき1個~3個のピンホールがあるので、
B品デッドストックだったのかもしれません。
全然気になりませんね。

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味わいのあるロゴが中心からずれているのもその証かもしれません。

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5個買ったら1個おまけしてくれました。

次はキャビン工業の幻灯機(スライド映写機)。
露店のおじさんは50年くらい前の物だと言っていました。
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昭和臭をふんだんに漂わせていますが、BRAUN社製だと言われたら
そうかと思ってしまいそうな佇まいがあります。
それより何より惹かれたのは、塗装されていても、見た瞬間それと分かる素材感。
筐体(きょうたい)はダイキャストで作られています。
素材が表に放つ張りや力みたいなものはプラスチック製とは違います。

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カバーを開けると映写機だと分かります。

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ジャンク品で部品が足りませんが、ちゃんと通電します。
とてもシンプルな構造です。

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光を放っている時のこの愛着感は何なのでしょう。応援したくなります。
僕はここに時代を超える日本のデザインの価値があるような気がします。

最後はCDラジカセ(死語ですね、実際はCD+ラジオ)、P-CASEのシルバー。
色褪せないデザインです。
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本体はシルバー塗装されているので、ほとんど変褪色していません。
時代性を感じないデザインなだけに、レトロな物が多い蚤の市では浮いていて、
ものすごく違和感がありました。
不思議なものです。
それでも、当時のCDラジカセのデザインの中ではとても斬新だったので、
初めて見た時は衝撃を受けました。
この商品が生まれた背景はデザイナーの中で今でも語り草になっていますね。

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スライドスイッチが太陽の塔の顔になっています。

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しかし取扱説明書のグラフィックには古さを感じてしまいます。

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これは自宅で使っているホワイト(ライトグレー)のもの。

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全体的な黄ばみが進んでいて、スーパーファミコンの黄ばみを思い出します。

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電子機器や家庭用品によく使われるABS樹脂の薄い色は紫外線ですぐに黄ばんでしまうので、
前職では、よく変褪色防止に蛍光剤などを入れて対応していましたが、
そうすると先のシルバー塗装のように、将来とても違和感のあるものになってしまうかもしれません。
しかしプラスチックには基本、素材の味わいは生まれないと思っているので、
ただ古びた物体にならないよう、デザインには流行の形や斬新さ面白さを超えたものが
必要だなと常々考えています。

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今回購入したシルバーのボタンは濃いグレー
変色が分かりにくい色になっていますが、若干褪せています。

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二つを比べてみるとこんな感じです。

以上、今回は材料学のようになってしまいました!