DOOG DESIGN

NEWS ニュース

2015/05/10

「手癖、デザイン癖」

先日、イベントに出品する作品の制作のためにガラス工房のfrescoさんに行きました。

2015051001

frescoさんでは、マウスブローによる少量生産の宙吹きガラス、
中量生産の型吹きガラスを作っています。
今回はイベント用で数個制作するだけだったので、宙吹きガラスでの制作を依頼。

普段見る機会があるガラスの製法は機械生産のプレスやブロー成型、
もしくは型吹きといったところ。
一点ものの制作現場を見るのは初めてだったので、
邪魔になるほど制作している横に張り付いて見ていました。

2015051005

事前に工房を下見する時間が無く、いつものようにアイデアを構想して
スケッチを書いて図面を引いて、それを元に制作してもらうという流れだったので、
宙吹きガラスでこちらが指定する形状がなかなか上手く出来ず、苦労しました。

2015051006

2015051002

2015051003

僕達は普段、自分の手で物を製造することはありませんが、
元になる案はもちろん手を使って作ります。
(最終的にコンピューターで仕上げますが)

デザイン的なプロセスを踏んで作られた形は、
「コンピューターで作ったデザイン」
「手で作ったデザイン」
「手癖の残ったデザイン」
という違いがある程度、表に出てしまいます。

僕は大量生産品、中量生産品の製品デザインをしているので、
「手癖の残ったデザイン」を避けています。
自分の手で製造したような風合いを量産品に持ち込むと、
奇妙な違和感、気持ち悪さが表に現れてしまいまうからです。

今回はその逆で、一点ものの制作のためにプラン優先の、
デザイン的なプロセスを持ち込んだ「デザイン癖」が見えるデザインだったので、
完成形を形作るのが非常に難しく、制作して頂いた方もおそらく同じように感じていたので、
ちょっと申し訳なかったなと思います。

それでも、3個目の制作でなんとか成功でき、本当に助かりました。

今回制作現場を見て「制作工程の癖」が分かったので、
次回はもっと良いものが出来る、はず。

2015051004