DOOG DESIGN

YOSHINO Sake cup and bottle

YOSHINO Sake cup and bottle

Photographer /

Photo 1 : Takayuki Shimizu
Photo 2-4 : Ikuo Hiramatsu
Photo 7 : 写真提供/奈良県川上村 歴史の証人(下多古村有林)

Product design : Kazuya Koike
Package design : Atsuko Osaki / Doogdesign.

日本の杉の学名はCryptomeria japonica。

「隠れた日本の財産」と言う意味で、他の地域のCedarとは種が異なり、実は日本の杉は固有種でもある。
日本では先史時代から杉を生活の中に取り入れ、生活の道具だけではなく、

食器、家具、建具、仏具に至るまで幅広く浸透していた。
その杉の中でも吉野杉は密度が高く酒樽にも使われる高級木材。
植林の密度を極端に多くし、木材の年輪幅が狭く密度を高くしているため樽材には適するが、

材になるまでの生育に時間がかかる。

20世紀の中頃からは一般人の生活も西洋化が加速し、生活の道具としては使われなくなってきた。
1980年頃からは建材としても輸入材に押され、植林が放置され荒れ果てた山も多く、

手入れされなくなった土壌は、近年頻発している土砂崩れの一因とも言われている。

このお猪口と徳利は、その吉野杉を五感で楽しむために作ったもの。
かつての日本酒のほとんどは吉野杉の酒樽で貯蔵されていたと知り、昔の日本酒はみんな吉野杉の香りがしたのだろうと着想した。

それぞれの徳利に自然と持ちやすい直径約1.5寸の吉野杉製のお猪口が付属する。 円錐台の形状は下から杉の木を見上げた様子にちなみ、現代の生活への馴染みやすさを重視したシンプルなデザインにした。
お猪口は木造文化財の腐朽部分の補修に使われるポリウレタン系の木質強化含浸剤を使う事で 吉野杉の香りを損なわずにお酒が染み出さない工夫をしている。
パッケージは杉の小紋柄をあしらった和紙のラベルにした。


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