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2012/07/17

2012年7月15日

Kawaii Zakka展覧会  
大阪中之島 de sign deで開催されているKawaii Zakka展覧会というイベントに行きました。
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サブタイトルが 〜カワイイとカワイクナイの間〜。
なんとも興味がそそられるタイトル。
何なんだと思って行ったみたら、展示されているものは若いクリエイターやアーティストの作品だったのですが、
どれも作品で終わっていない、商品化されているものだと知って驚きました。
出展されているクリエイターの中には、学生のうちから作品が商品化されたという人もいて、
一昔前のデザインイベントとは違って、自分の知らない世界のように思えて興味深く見れました。
商品として売れているかとかではなく、既に多くの人の反応が得られている作品ということは
そこに出展されるまでに表現なり製法なりが練られているので、
「どうですか?」というものではなく「いいでしょ?」という展示になる。
こういったイベントに何度も行っていると、この違いは見る側の負担も無く、
気楽に見ることができるので正直うれしい。
同時に開催されたシンポジウムが面白そうだったので、若い人達の中に混ざって参加した。
スピーカーは岡田栄造さん(京都工芸繊維大学准教授)・井上雅人さん(武庫川女子大学講師)
たかぎみ江さん(ぽむ企画)・多田智美さん(MUESM・編集者)
カワイイとはどういう事か、みたいな話もあったのですが、それはさておき
話を聞いていて気になったのは、どうもカワイイというキーワードが
日本の文化だとして輸出しようとする動きがあるらしい。
おや?まるでクールジャパンみたいではないですか。
僕達が普段接するかわいいデザイン、もしくは仕事で依頼されるかわいいデザインというのは、
「かわいい」何かがビジュアルや言葉・記号として受け手の頭の中に顕在化している為、
既にシンボル化されているようなものの組み合わせだけで成立させることができます。
でも、このようなイベントで出展されている作品の多くは、
そのようなかわいいデザインを狙ったかわいさではありません。
一般化されていない「かわいい」もの、いわゆるベタではないものを日本の文化の
「かわいい」として発信していくのは中身が伴っていないのと同じで、
余計混乱するだけのような気がしてナンセンスです。
自分でクールだと言ってしまうクールジャパン、刀の代わりにバットを持った侍JAPAN、
日本人としてギャップを感じずにはいられませんでした。
ちなみに、井上雅人さんによると、「かわいい」の対義語は「かっこいい」である。
「かっこいい」は崇拝の対象、「かわいい」は支配の対象である。
と定義されていました。
学者らしい発言に、なるほど~と感心しました。