料理の盛り付けをのびやかに引き立て、手にした時はふわりと軽やか。
丸みと軽やかさと、高いスタッキング性と耐久性を実現した食器シリーズ。
社員食堂などの産業給食やホテル、レストランなど、さまざまな食の現場で使われることを想定した、SPS樹脂製の業務用食器シリーズ「FUWARI」。
業務用食器には、日々の繰り返し使用に耐える丈夫さに加え、大量の食器を効率よく扱うためのスタッキング性や収納性が求められる。本プロジェクトでは、軽量で耐久性に優れたSPS樹脂の特性を活かし、こうした業務用としての合理性を確保しながら、従来の業務用食器にとらわれない、柔らかく伸びやかな造形を追求した。

デザインの特徴は、高いスタッキング性を確保しながら可能な限り丸みを追求したフォルム。
ふっくらとした曲面が料理を包み込むように引き立て、繊細な薄い縁とすっきりとした高台が、軽やかで凛とした佇まいを生み出している。また、和食から洋食まで幅広い料理に調和するプレーンな造形としながら、箸やスプーン、フォークなど、異なる食具での使いやすさにも配慮している。

飯椀や小鉢では、盛り付けた料理の見え方にも着目した。側面のテーパーを抑えることで、外径を変えずに料理の見える面積を広げ、さらに底面の位置を高くすることで、斜めから見ても料理の量感が伝わる断面形状としている。主菜皿も、ゆるやかに立ち上がる曲面と料理の周囲に生まれる余白によって、盛り付けを豊かに見せることを意識した。

また、飯椀の高台は細身で高さを持たせ、テーブルから持ち上げる際に自然と指が掛かる形状を追求し、食事の所作にも注意を払った。


底部の樹脂厚を調整することで重心にも配慮し、持ちやすさと安定感を両立。すべての器は高台を利用して安定して重ねられる構造とし、収納や配膳、片付けといった日々の業務にも対応している。



業務用食器としての使いやすさを追求しながら、料理を美しく見せ、手にしたときにはふわりと軽やかに感じられること。使う人と食べる人、双方の心地よさを、柔らかな造形の中にまとめた食器シリーズのデザインである。

設計領域
・コンセプトメイク
・プロダクトデザイン
・プロトタイピング
・ユーザビリティデザイン
・ネーミング
Client:マルケイ

